・セントラルキッチンの管理栄養士ってどんなことしているの?
・仕事内容について知りたい
・セントラルキッチンで働きたいけど未経験で不安
こういう疑問や不安をお持ちではないですか?
近年、セントラルキッチンが増加している一方で、情報が不足しているのも事実です。
私は病院給食を行っているセントラルキッチンで、8年勤務経験を持つ管理栄養士です。
2社のセントラルキッチンで、現場・献立作成・お客様対応などを行っていました。
そこで、本記事では、私の経験を元に、セントラルキッチンでの管理栄養士の仕事内容を詳しく解説します。
これを読めば、未経験者でも安心して一歩を踏み出せるはずです!
セントラルキッチンの管理栄養士の部署
セントラルキッチンの管理栄養士の仕事は、所属する部署によって異なります。
全体の部署は下のように分かれていることが多いです。
- 事務所
- 下処理
- 調理
- 盛り付け
- 配膳
- 洗浄
この中で、管理栄養士が配置されているのは「事務所」と「配膳」であることが多いです。
どの部署に配属されるかによって仕事内容が変わります。
事務所と配膳|部署の特徴と比較
管理栄養士が配置されている、事務所と配膳、2つの部署を比較しました。
事務所 | 配膳 | |
向いている人 | パソコン業務が得意な人 | 現場作業が好きな人 |
メリット | 身体的負担が少ない | ノーメイクでも気にならない |
デメリット | クレーム対応が大変 | 立ち仕事で体力が必要 |
事務所の特徴
パソコン業務が多いので、パソコンが得意な人が向いています。
また、事務作業が多いので、身体的負担は少ないです。
しかし電話でクレームの対応をすることも多く、精神的なストレスがあります。
配膳の特徴
現場で直接食事と関わる仕事がしたい人は向いています。
服装は、帽子・ユニフォームを着用し、マスクと手袋をして作業するので、目しか見えない状態で作業を行います。ノーメイクでも気にならないので、女性としては身なりを気にしないで良いのが楽という声も多いです。
1日中立ち仕事となるので、体力が必要です。
それぞれの部署の仕事内容についても見ていきましょう。
事務所の仕事|セントラルキッチン管理栄養士
セントラルキッチン事務所での管理栄養士の仕事内容は、以下の項目があります。
- 献立作成
- 食材発注
- 事務作業
- お客様対応
- 衛生管理
それぞれの仕事内容についてみていきます。
献立作成|事務所の仕事
事務所では、献立作成業務があります。
通常の委託給食とは異なる、セントラルキッチン献立作成の特徴をまとめました。
- 冷却工程を考慮する
- 離水を考慮する
- 採用できない料理
- 各部署の1日の作業量を考慮する
- 食器の回転数を考慮する
- 衛生面を考慮する
一番の特徴は、加熱後に冷却工程があることです。
クックチルは、加熱後90分以内に3℃以下まで中心温度を下げないといけません。
そのため、この工程を考慮した献立作成が必要になります。
またニュークックチルは、けっこう離水します。
この離水によって不満が上がることが多いので、離水を考慮した献立作成も必要になります。
献立作成のポイントをすべて網羅した献立を立てるのは難しいです。
ただこれらを知っているのと知らないのでは、全然違います。
ちなみに企業によって献立作成は、本社で一括して作成していることも多いです。
そのためセントラルキッチンでは、自分の工場用にカスタマイズだけを行うという場合もあります。
発注業務|事務所の仕事
事務所では食材や消耗品などの発注業務があります。
セントラルキッチンは大量の食数を扱うので発注量もかなり多く、担当者は食材費や経費の鍵を握っています。
適切な発注には在庫管理が重要になります。
在庫を見ずに発注を続けていると、実は食材が大量に余っていた、ということも発生します。
賞味期限が切れて食材廃棄になることもあるので、在庫状況はこまめに確認します。
また月末には棚卸があります。
事務作業|事務所の仕事
セントラルキッチンの事務作業は以下の内容です。
- 現場への調理指示書作成
- 食事箋入力
- アレルギー・禁止食対応
- 食札や配膳表
- 電話・来客・問い合わせ
この中でもアレルギー・禁止食対応は、患者様の命にも関わる重要な業務です。
アレルギーに該当する献立があれば、代替え料理を考え指示を出します。
間違えることが許されないので、慎重に行います。
ニュークックチルの場合、トレイ配膳をするので、食札を用意します。
患者様の個人情報が載っているので、食札の取り扱いは注意が必要です。
事務作業はどれも正確さが重要です!
お客様対応|事務所の仕事
お客様対応は以下の内容があります。
- 新規の説明
- 工場見学
- 栄養委員会出席
- クレーム対応
セントラルキッチンは、食事を提供する病院が新しく増えることがあります。
その際は、病院の管理栄養士さんに運用方法の説明します。
説明内容は、食種・加工形態・禁止対応・発注方法・提出書類など。
事前の丁寧な説明が、今後の取引を円滑にするのでとても重要です。
衛生管理|事務所の仕事
衛生管理も管理栄養士の重要な業務の1つです。
- 現場の衛生状況を管理する
- 衛生書類を管理する
セントラルキッチンは、下処理や調理場などいろいろなセクションがあるので、それぞれの衛生状況を清潔に保つ必要があります。
現場に任せきりにすると、知らない間に荒れてきます。定期的な確認も仕事の一つです。
また衛生書類は大事な書類になるので、正しい記入ができているか管理します。
不備があれば、正しい記入になるよう指導します。
特に温度の記録はとても大事です!
セントラルキッチン事務所の仕事は項目が多く、最初は覚えることがたくさんあります。
配膳の仕事|セントラルキッチン管理栄養士
配膳での仕事内容は、食事の検品がメインの仕事です。
ニュークックチルは、患者様の食事を、個人ごとにトレイ配膳します。
配膳された食事内容が正しいかどうかをチェックします。
チェック項目は以下の内容があります。
- 食種の確認(例:常食・糖尿病食など)
- 加工形態の確認(例:きざみ・ミキサーなど)
- アレルギー対応(例:卵アレルギー・肉禁など)
- 異物混入(例:虫・毛髪・ビニール片など)
- 盛り付け分量・見た目
- 食器やトレイの汚れ
食事はベルトコンベアで流れてきます。
患者様の食種・加工形態・アレルギー内容を確認し、食事内容が合っているかチェックします。
また同時に異物混入や汚れなどが無いかどうかも確認します。
私も現場で検品を実際にやっていました。
患者さんが食べる食事の確認なので、責任のあるお仕事です。
セントラルキッチン配膳の仕事は、食事の最終確認者なのでマスターするのに時間がかかります。とても重要なポジションです。
未経験でもOK|セントラルキッチン管理栄養士
セントラルキッチンの管理栄養士の仕事内容を部署ごとにご紹介しました。
通常の給食会社とは異なり、セントラルキッチン特有の内容も多いと思います。
未経験だけど大丈夫かな?
と不安に感じる方もいるかもしれません。
でも大丈夫です!私も最初はまったくの未経験でした。逆に経験者の方が少ないです!
セントラルキッチンの需要は今後ますます増加する見込みです。
現在はまだ少数派ですが、早めに経験を積んでおくことで、今後のキャリアに大きなプラスとなります。
少しでも興味を持ってくれた方は、まずは求人情報をチェックしてみてください。
未経験からでも、あなたのキャリアの新しいステージをスタートさせるチャンスです!