公務員管理栄養士の年収を解説!国家・地方のモデル年収を算出しました

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  • 公務員の管理栄養士って給料が高いの?
  • 年齢ごとの具体的な年収を知りたい。
  • 公務員の種類によって年収は違うの?

こういった疑問をお持ちではありませんか?

公務員の管理栄養士は、「給料が高い」と聞くことは多いですよね。しかし、実際の年収については、300~600万円とざっくりしていて、具体的な年齢ごとの年収が分かりにくいことが多いです。

そこでこの記事では、国家公務員・地方公務員の管理栄養士のモデル年収を年齢ごとに算出しました。

この記事を書いた人

キャロット

  • 管理栄養士経験10年以上(病院3年、委託給食8年)
  • 栄養指導、献立作成、工場立ち上げの実務経験あり
  • 最高役職:課長補佐
  • 金に目がない、管理栄養士でも高年収をあきらめたくない
  • 転職で年収100万アップを実現

この記事を読めば、公務員の管理栄養士の年収について、より明確なイメージがつかめるはずです。

結論からいうと、公務員の管理栄養士の給料は本当に高いです!

少しでも、給料が高い管理栄養士の職場を探している人は、ぜひ最後まで見てください。

目次

国家公務員・地方公務員・民間の平均年収比較

管理栄養士の、国家公務員・地方公務員・民間の平均年収を比較しました。

年齢民間の平均年収※国家公務員のモデル年収地方公務員のモデル年収
22歳303.3万円377.5万円346.6万円
30歳376.8万円447.2万円415.3万円
40歳404.7万円522.2万円497.8万円
50歳459.1万円605.6万円554.9円
59歳548万円672.8万円582万円

※民間の平均年収は、令和5年賃金構造基本統計調査の栄養士の給料をもとに算出しています。
管理栄養士の給料事情

民間の平均年収、国家公務員、地方公務員の3つを比較すると、最も高い給与を得ているのは国家公務員で、民間に比べて最大1.3倍の差があります。

ただし、このモデル年収は、順調に昇進した場合を前提にしています。勤務先によっては役職に限りがあることもあり、その場合は年収がやや低くなることもあります。また、この金額には手当が含まれていないため、実際の年収はモデルよりも高くなる可能性があります。

キャロット

詳細な算出方法については、以下の章でご確認ください。

国家公務員・管理栄養士のモデル年収

国家公務員の給料は、給与規定に基づき、職種・経験年数・勤務地などに応じて決まっています。ここでは、人事院規則および人事院勧告に基づく国家公務員の給与制度を参考にして、管理栄養士の年収を算出しました。

国家公務員の管理栄養士の給料は☟こんな感じ!

年齢月給ボーナス(年間)年収
22歳(2級)22.74万円104.6万円377.5万円
25歳(2級)24.18万円111.2万円401.4万円
30歳(3級・主任)26.94万円123.9万円447.2万円
35歳(3級・主任)28.58万円131.5万円474.4万円
40歳(4級・主任)31.46万円144.7万円522.2万円
45歳(4級・主任)33.59万円154.5万円557.6万円
50歳(5級・栄養室長)36.48万円167.8万円605.6万円
55歳(5級・栄養室長)38.17万円175.6万円633.6万円
59歳(6級・栄養室長)40.53万円186.4万円672.8万円

実際は、手当がプラスされるため、もう少しこの金額よりも高くなります。役職によっても給料が変わってくるため、昇給のタイミングは仮定で計算しています。

算出方法は以下の通りです。複雑なので興味がある人だけ見てください。

  • 給料金額は医療職俸給表(二)より算出
  • 昇給は1年に4号俸とする
  • 管理栄養士の初任給は2級1号俸(医療職俸給表(二)初任給基準表)
  • 管理栄養士の役職は、主任・栄養管理室長(医療職俸給表(二)級別標準職務表)
  • 30・40・50・58歳で昇給した場合と仮定
  • 昇格後の号数は医療職俸給表(二)昇格時号俸対応表より算出
  • ボーナスは4.6ヵ月分で算出

具体的な職場は以下の通りです。(参照:人事院規則九―二(俸給表の適用範囲)

  • 病院
  • 療養所
  • 診療所
  • 刑務所
  • 拘置所
  • 検疫所
  • 学校

初任給は22万7400円

国家公務員の管理栄養士の初任給は22万7400円で、これに各種手当が加算されます。

一般的な管理栄養士(20〜24歳)の平均月給は22万5900円となっており、比較すると国家公務員の初任給はわずかに高いと言えます。

昇給は年に2000~5100円

国家公務員の給料は、俸給表に基づいて昇給します。今回のモデルケースでは、昇進時を除き、年間で2000円〜5100円の昇給がありました。

昇給額は、若い時期の方が大きく、年齢が上がるにつれて徐々に小さくなる傾向があります。

  • 20代:3200~5100円
  • 30代:3200~4500円
  • 40代:2000~4700円
  • 50代:2000~4100円

しかし、年齢を重ねることで月給自体が増えるため、年収は大きく増加していきます。

役職は4段階

国家公務員の管理栄養士には、役職が4段階あります。公務員は昇進により級が上がり、管理栄養士の初任給は「2級」からスタートします。詳細は以下の表の通り。

職務の級標準的な職務
2級困難な業務を行う栄養士
3級医療機関の困難な業務を行う主任栄養士
4級・医療機関の相当困難な業務を行う栄養管理室長
・医療機関の特に困難な業務を行う主任栄養士
5級医療機関の困難な業務を行う栄養管理室長
6級医療機関の特に困難な業務を行う栄養管理室長

役職に伴って給料が大きく変動するため、昇進できるかどうかが年収に大きく影響します。

キャロット

国家公務員の管理栄養士は、順調に出世できれば、かなりの高年収を狙えることが分かりますね。

地方公務員・管理栄養士のモデル年収

地方公務員の給料も、国家公務員と同じく給与規定に基づき、職種・経験年数・勤務地などに応じて決まっています。

地方公務員の給料は地域・自治体ごとに異なりますが、今回は和歌山県のデータを使用しました。

和歌山県を選んだ理由は、全都道府県の中で年収がほぼ真ん中に位置しているためです。具体的には、ラスパイレス指数が99.5で、全国で24番目に位置しています。(参照:地方公務員の給与水準|総務省

ラスパイレス指数とは、国家公務員の給料を基準(100)として、地方公務員の給料水準を比較するための指標です。つまり、ラスパイレス指数が100を超える場合、地方公務員の給料は国家公務員より高く、100未満の場合は低いことを示します。

キャロット

ラスパイレス指数が100以上で、国家公務員より給料が高い自治体も複数あるよ。

ここでは、和歌山県の人事委員会規則および人事委員会勧告に基づく地方公務員の給与制度を参考にして、管理栄養士の年収を算出しました。

地方公務員の管理栄養士の給料は☟こんな感じ!

年齢月給ボーナス(年間)年収
22歳(2級)20.88万円96万円346.6万円
25歳(2級)22.55万円103.4万円374.3万円
30歳(3級・副主査)25.02万円115万円415.3万円
35歳(3級・副主査)27.22万円125.2万円451.9万円
40歳(3級・副主査)29.99万円138万円497.8万円
45歳(3級・副主査)32.04万円147.4万円531.9万円
50歳(4級・主査)33.43万円153.8万円554.9円
55歳(4級・主査)34.52万円158.8万円573万円
59歳(4級・主査)35.06万円161.3万円582万円

算出方法は以下の通りです。複雑なので興味がある人だけ見てください。

  • 給料金額は医療職給料表(2)より算出
  • 昇給は1年に4号俸とする
  • 管理栄養士の初任給は2級5号給(医療職給料表(2)初任給基準表)
  • 管理栄養士の役職は副主査・主査(医療職給料(2)級別職務分類表)
  • 30・50歳で昇給した場合と仮定
  • 昇格後の号数は医療職給料表(2)昇格時号給対応表より
  • ボーナスは4.6ヵ月分で算出

具体的な職場は以下の通りです。(参照:人事委員会規則第14号(職員の給与に関する条例)

  • 病院
  • 保健所

初任給は20万8800円

地方公務員の管理栄養士の初任給は20万8800円で、これに各種手当が加算されます。

一般的な管理栄養士(20〜24歳)の平均月給22万5900円と比較すると、地方公務員の初任給はやや低めと言えます。

ただし、これは和歌山県の地方公務員の金額であり、自治体や地域によって異なるため、正確な金額については希望する地域の初任給を確認することをおすすめします。

キャロット

(自治体名) 公務員 給料 条例」で調べると、その自治体の「職員の給与に関する条例」が出てくるので、そこから調べることができるよ。

昇給は年に1300~5900円

地方公務員の給料は、給与表に基づいて昇給します。今回のモデルケースでは、昇進時を除いて年間1300円〜5900円の昇給がありました。

  • 20代:4400~5900円
  • 30代:3400~5900円
  • 40代:1300~5100円
  • 50代:1300~2600円

昇給額は、22〜45歳の間が比較的大きく、それ以降は昇給額が徐々に小さくなる傾向が見られました。

役職は2段階

和歌山県の管理栄養士の役職については、3級および4級の記載はありますが、5級や6級に関する情報はありませんでした。このため、和歌山県の管理栄養士の役職は4級の主査までである可能性があります。そのため今回のモデル年収では「2級→3級→4級」までの昇進として算出しました。

和歌山県の管理栄養士の初任給は「2級」からスタートとなっています。詳細は以下の表の通り。

職務の級職務
2級
3級副主査栄養士
4級主査栄養士
5級(記載なし)
6級(記載なし)

役職に伴って給料も大きく変動するので、役職が設けられていない場合、年収の上りが緩やかになります。もし6級まである場合は、地方公務員の管理栄養士でも定年前に年収600万を超えます。

公務員の給料が高い要因の一つとして、ボーナスが4.6ヶ月分と多いことが挙げられます。民間の管理栄養士の職場では、ボーナスが支給されないところもあり、4ヶ月分以上はあるのは少数派です。

公務員の管理栄養士になる方法

管理栄養士として公務員は給料が高く、魅力的な職場だと分かりました。

実際に管理栄養士が公務員になるには、各自治体の公務員試験に合格する必要があります。

希望する勤務場所によって応募条件や試験内容は異なります。参考に、国家公務員・地方公務員それぞれの実際の採用案内をご紹介します。

国家公務員の実際の求人募集

厚生労働省大臣官房会計課ヘルスケア推進室より出ていた、厚生労働技官(管理栄養士)の採用案内です。

令和7年度 管理栄養士(一般職員)採用案内

【応募資格】
以下の条件を全て満たしている者
 ①管理栄養士免許を有している者
 ②採用予定時期までに栄養指導の実務経験1年以上及び特定保健指導の実務経験3年以上有している者
 ③パソコン(Excel、Word、PowerPoint、電子メール等)の基本操作ができる者

【職務内容】
厚生労働省職員用診療室における
(1)栄養指導に関すること
(2)保健師と連携した特定保健指導の運用・実務に関すること
(3)保健指導(個別・集団)に関すること 等

【給与】
一般職の職員の給与に関する法律に基づき支給(医療職棒給表(二)2級)

給与モデルケース例
経験年数満3年の場合
 ・月収 約26万円 
 ・年収 1年目:約390万円、2年目:約440万円(期末・勤勉手当期間率(100%)による増)

経験年数満20年の場合
 ・月収 約35万円
 ・年収 1年目:約520万円、2年目:約570万円(期末・勤勉手当期間率(100%)による増)

※上記は俸給、地域手当と期末・勤勉手当(標準成績の場合)により暦年(1~12月)での報酬水準を試算したものです。これ以外に、個人の状況・勤務状況に応じて、超過勤務手当、通勤手当、住居手当、扶養手当等の諸手当が支給されます。

【応募書類】
(1)履歴書(写真貼付)
(2)身上申立書
(3)管理栄養士免許証(写)、3年以上の実務経験に係る証明又は職務経歴書等、応募資格要件を満たすことが分かる書類
(4)作文(以下のテーマから1つを選択し、800字程度)
 ①一次予防における管理栄養士の役割について 
 ②管理栄養士としての自身の課題とその解決に向けての取り組みについて
 ③産業保健の分野で働く上で重要視している(あるいは重要視していきたい)ことについて

※作文については応募時にご提出いただきますが、第二次選考時に評価をいたします。

【選考方法】
(1)第一次選考(書類審査) 第一次選考合格発表日:1月8日 
(2)第二次選考(作文試験及び面接):1月中旬に実施
(3)最終合格発表日:1月下旬

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この求人は、実務経験が必要になっていますね。

地方公務員の実際の求人募集

東京都健康長寿医療センターより出ていた、管理栄養士の採用案内です。

令和7年度 東京都健康長寿医療センター(管理栄養士)採用案内

【応募資格】
管理栄養士の資格を有する方で、令和7年4月1日時点で35歳未満の方(長期勤続によるキャリア形成のため。)令和7年3月卒業見込みの方も歓迎。

【職務内容】
栄養管理業務全般(病棟栄養管理、栄養指導、給食管理など)

【給与】
モデル給与
4年制大学卒業、新卒者の場合・管理栄養士:約239,000円
4年制大学卒業、申し込み時点で30歳、免許歴8年の場合・管理栄養士:約273,200円

※年齢・資格取得に要した学歴・免許年数により初任給は異なります。
※その他、扶養手当、通勤手当、賞与、超過勤務手当等各種手当が支給要件、勤務実績に応じて支給されます。

【応募書類】
以下の書類を申込締切日までに東京都健康長寿医療センター総務課人事係まで提出すること。
(1)申込みシート(様式1)
(2)採用選考申込書兼履歴書(様式2)
(3)小論文(様式3)
(4)管理栄養士免許証の写し(資格保持者の方のみ)
(5)成績証明書(令和7年資格取得見込者のみ)
※様式1~3についてはパソコンで作成すること。(なお、様式2「自署」欄はボールペンで記載すること)

【選考方法】
(1) 第一次選考 ・提出書類について書類選考を行います。
・小論文については、別紙「小論文(様式3)」にパソコンで作成の上、選考申込時に提出してください。
・小論文論題 「あなたの考える急性期病院での病棟活動における管理栄養士の役割とは」を、1,200字以上1,600字以内で述べてください。
(2) 第二次選考 第一次選考合格者について面接試験を実施します。

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この求人は、新卒・中途のどちらでも応募可能ですが、年齢制限が35歳までとなっています。そのため、公務員への挑戦はできるだけ早い段階で考えておく方が良いですね。

管理栄養士の公務員試験の特徴

公務員試験には一般教養試験が必要だというイメージがありますが、管理栄養士は専門職に分類されるため、一般教養試験は求められません。

その代わり、管理栄養士に関連した専門的なテーマでの作文や小論文が出題されることが多いです。

公務員の管理栄養士になるには、専門知識や自身の見解を示す力、さらには基本的な文章力が求められます。

キャロット

実は私も新卒の時に、地方公務員の管理栄養士に挑戦したことがあります。募集1名に対し25人以上の応募者がいて、倍率が高く不合格でした。

まとめ:公務員管理栄養士の給料は高い

この記事では、国家公務員・地方公務員の管理栄養士の年収について解説しました。

要点をまとめると以下の通り。

  • 国家公務員の年収は民間の最大1.3倍
  • 地方公務員の年収は民間の最大1.2倍
  • 公務員は年齢制限もあるので早めの挑戦がよい

管理栄養士として高年収を目指している方にとって、公務員は非常に魅力的な選択肢の一つです。

今回、モデル年収を紹介したことで、どの年齢でどれくらいの年収を得られるか、具体的なイメージが湧いたのではないでしょうか。

公務員として働く場合、公務員試験に合格することが前提となるため、一般的な転職活動とは異なり、試験対策や準備に時間と労力がかかることもあります。

それでも、諦めずに挑戦する価値は十分にあると思うので、ぜひ挑戦してみてください。

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