- 管理栄養士としてキャリアプランを立てた方が良い?
- キャリアプランの具体例を知りたい
- キャリアプランの立て方を教えて!
こういった疑問をお持ちではありませんか?
管理栄養士としての理想に近づくためには、キャリアプランが欠かせません。しかし、『キャリアプランってどうやって立てたらいいのか分からない…』という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では管理栄養士のキャリアプランの立て方について詳しく解説します。
具体例も挙げているので参考にしやすいと思います。
とくに転職を考えている方で、まだキャリアプランを考えていない方は最後までみてください。
キャリアプランとは仕事の行動計画
キャリアプランとは、仕事に対する目標を立て、その目標に向かって行う具体的な行動計画のことです。短期的な目標だけではなく、長期的なビジョンを明確にし、それに向かって行動していきます。
管理栄養士のキャリアプランの例
具体的な管理栄養士のキャリアプランの例は以下のようなものです。
①将来像を設定
- 5年後に糖尿病を専門とした管理栄養士として活動したい
②必要となるスキル
- 糖尿病に関する深い知識
- 病態に応じた栄養指導スキル
- 患者との信頼関係を築くためのカウンセリング技術
③具体的な行動
- まずは病院で栄養指導を行い、患者への実践的な指導を3年間しっかり経験しよう。
- 並行して、カウンセリング技術を身につけるため、心理学やコミュニケーション技法の勉強を進める。
- さらに、糖尿病の専門的な資格取得に向けて必要な経験を積み試験勉強に励み、3年後には糖尿病療養指導士の資格を習得しよう
このような具体的なキャリアプランを立てることで、目標とするべきことが明確になります。
自分にぴったりのキャリアプランを立てる方法
キャリアプランの立て方は、以下の手順で行います。
- いま自分が出来ることを洗い出す
- 目標と期間を決める
- 目標達成のために必要なことを挙げる
- やること・やらないことを明確にする
①いま自分ができる管理栄養士の仕事を洗い出す
まずは、自分が今までに行ってきた仕事を振り返り、管理栄養士として自分ができることを挙げてみましょう。あとで目標設定しやすくするためにより具体的にあげてみることをおすすめします。
具体例を以下に示します。
- 病院やクリニックでの患者への個別栄養指導
- 生活習慣や食事に関するアドバイスと改善提案
- 栄養状態の評価とアセスメント
- 患者の病態に応じた治療食献立の作成
- 患者の状態に応じた嚥下食の作成
- 季節に合わせた食材やメニュー提案
- 血液検査結果の分析と栄養指導への反映
- 体重、体脂肪、筋肉量などの測定・評価
- 栄養状態に基づく食事改善提案
- 食品の衛生管理や調理環境のチェック
- 食品の保存方法や衛生指導
- 給食業務の衛生管理
- 栄養に関する研修・セミナーの実施
- 学生や新卒社員への教育・指導
- 食事提供のタイムスケジュール調整
- 食事の盛り付けや見た目の管理
- 食事のアレルギー対応とアレルゲン管理
- 栄養学に関する調査・研究
- 栄養療法や食事改善に関するデータ収集
- 学会やセミナーでの研究発表
- 企業や学校での栄養相談
- 健康診断の結果に基づく栄養アドバイス
- ダイエットやスポーツ栄養の指導
②自分が目指す管理栄養士の目標と期間を決める
次に、目標と達成期限を決めます。まずは、①で洗い出した自分の強みやできることを参考にしながら、
- 自分がなりたい管理栄養士像
- 今後磨きたい専門技術
- どのように人々の役に立っていきたいか
を考え、目標を明確に設定しましょう。
目標の具体例を以下に示します。
- 特定の専門分野に特化した管理栄養士になる
- 栄養指導のスキルを極めスペシャリストになる
- 献立作成を極める(コスト削減・作業効率・患者満足度アップ)
- 現職で上位管理職を目指す
- 学会発表や論文執筆で専門性を深める
- 在宅栄養指導の道へ進む
- 独立してフリーランスとして活躍する
そして、目標を達成するために「いつまでに実現したいか?」という具体的な期間を設定し、目標が漠然としたまま終わらないようにしましょう。
目標期間が10〜20年のように長すぎると、モチベーションを維持するのが難しくなることがあります。そのため目標達成が長期になる場合は、5年程度の中期目標も設定しましょう。段階的に達成していくことで、成果を実感しながら着実に進むことができます。
③目標達成のために必要なことを挙げる
目標と期間が決まったら、実現するために必要なことを洗い出します。
具体的には、以下のような内容です。
- 専門分野の実務経験を積む
- 資格を取る
- 関連分野の勉強を進める
- 経験を積んだら転職をする
- 人脈を広げる
- 勉強会やセミナーに参加する
④やること・やらないことを明確にする
目標と行動が決まったら、次に必要なのは、実際にそれを達成するために「やるべきこと」と「やらないこと」を明確にすることです。特に「やらないこと」を決めることは後回しにしがちですが、実は非常に重要です。
目標達成のためにやること・やらないことの例を以下に示します。
やること | やらないこと |
・専門書を1週間に1冊は読む ・無料の勉強会にはすべて参加する ・専門雑誌を購読する | ・毎日30分は資格の勉強をする・無駄なSNSの閲覧や長時間のネットサーフィンはやめる ・睡眠不足になることは避ける ・休みの日に昼まで寝るのはやめる | ・娯楽の時間は1日1時間に制限する
具体的な行動を決めることで、立てた目標を達成しやすい習慣が付きます。
管理栄養士がキャリアプランを立てるメリット
キャリアプランを考えることは正直めんどくさく感じるものです。しかし、管理栄養士がキャリアプランを立てることは、以下のようなメリットがあります。
目標が明確になる
キャリアプランを立てることは、管理栄養士として今後どのような働き方をしたいかを考える機会となり、目標を明確にすることができます。管理栄養士の業務は、職場によっては多忙なことも多いため、自分と向き合う時間を作らないと、日々の忙しさに追われてあっという間に時間が過ぎてしまいます。
転職活動に役立つ
キャリアプランをしっかりと立てることは、転職活動にも大いに役立ちます。未来のキャリアを考えずに転職をすると、目先のメリットばかりに目を奪われ、今後の管理栄養士としての方向性がぶれてしまうことがあります。
しかし、キャリアプランを明確にしておくことで、今後につながる転職がしやすくなります。また、面接でも自分の考えをしっかりと伝えることができるようになります。
モチベーションが高まる
キャリアプランを立てることで、仕事に対するモチベーションが高まります。目標がなければただ単にこなすだけになっていた仕事も、目標を持つことで一つ一つが意味のあるものに変わります。
管理栄養士としての向上心が上がり、日々の仕事にも前向きな気持ちで取り組むことができるようになるでしょう。
私も実際にキャリアプランを立ててみました。目標が決まるとやるべきことが決まるので、一度考えてみることはかなりおすすめです。
管理栄養士のキャリアプランのポイント
管理栄養士がキャリアプランを立てる際は、以下のポイントを意識しましょう。
ライフプランも一緒に考える
キャリアプランを考える際は、ライフプランも同時に考慮しておくことが大切です。ライフプランを無視すると、せっかく立てたキャリアプランを実行できなかったり、諦めなければならない場面が出てくる可能性があります。
特に女性の場合、結婚や出産を機にキャリアを見直すことが多いため、ライフプランと合わせてしっかり考えることが重要です。
大きすぎる目標は設定しない
目標は、実現不可能なほど大きすぎるものを設定しないようにしましょう。あまりにも大きな目標は、達成までの距離が遠すぎて「自分には無理だ」と感じ、逆にやる気を失ってしまうことがあります。
自分のこれまでの経験を踏まえて、努力は必要だけれど現実的で自分に合った目標を設定することが大切です。
特化したスキルを伸ばす
管理栄養士は職場や環境によって仕事内容は大きく変わります。今までの経験を活かし自分が活躍できる分野に特化してスキルを伸ばすことがおすすめです。
例えば、以下のような業務があります。
- 今まで栄養指導の経験が長い方は、栄養指導を極めていく
- 献立作成が好きな人は、献立作成を極めていく
- 調理が好きな人は、大量調理を極めていく
キャリアプランは定期的に見直す
キャリアプランは一度決めたら終わりというわけではなく、見直していくことが大切です。業務を行っていく中で、最初に思っていたものとは違う分野への興味が沸いてきたり、ライフスタイルが変わり、新たな目標を立てる必要が出てくることはよくあります。
その都度、状況に合わせて臨機応変に見直していき、管理栄養士としての働き方をより良いものにしていきましょう。
まとめ:キャリアプランを立てることは理想の管理栄養士になる近道
この記事では、管理栄養士のキャリアプランの立て方について解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- キャリアプランを立てると管理栄養士としての目標が明確になる
- キャリアプランは転職活動にも役立つ
- ライフプランも併せてキャリアプランを考える
- キャリアプランは定期的に見直そう
キャリアプランを立てることは、理想の管理栄養士への近道です。目標が明確になることで、日々の行動がぶれにくくなります。
理想の自分を実現するための第一歩として、実際にキャリアプランを立ててみましょう。
特にこれから転職を考えている方にとっては、今後の職場選びに大きな影響を与える大事なステップになります。