・管理栄養士ってAIに仕事とられる?
・管理栄養士の将来性って大丈夫なの?
こういった疑問はありませんか?
ここ最近、AI技術が急速に発展しており「将来、AIが仕事を奪う」と言われることも多くなってきました。そうすると「管理栄養士の仕事もAIに取られてしまうのだろうか?」と不安に思う方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、AIが出てくることにより管理栄養士の仕事はどうなっていくのかを解説します。
この記事を読めば、管理栄養士のキャリア形成への不安を減らすことができます。管理栄養士として「今後も長く働きたい」と思っている人は最後まで見ていってください。
管理栄養士はAIに仕事を取られることはない
結論から言うと、管理栄養士がAIに仕事を取られることはありません。
安心してください!
その理由は、管理栄養士の仕事にはAIにはできない「共感」という重要な要素があるからです。相手の気持ちに寄り添い、共感をもって対応することはAIには不可能で、人間にしかできないことです。
したがって、AIが発展しても、管理栄養士の仕事がなくなることはありません。むしろ、AIを活用することで、管理栄養士の技術がさらに活かされる環境が整っていくのではないかと考えられます。
AIができる管理栄養士の仕事
AIができる管理栄養士の仕事は以下の内容があります。
- 栄養計算
- 栄養診断
- 献立作成
- 調理業務
- 発注業務
それぞれ解説します。
栄養計算
栄養価計算はAIによって自動化されます。
実際、食べ物の写真を撮影するだけでAIが自動で栄養成分を解析してくれるアプリも既に存在しています。
AIが食事を数値化する栄養管理・ダイエットアプリ「カロミル」|農林水産省
もちろん、正確さという点では、栄養士が実際に使用した食材の重量をもとに行う栄養価計算の方が信頼性は高いです。
しかし、栄養指導の場面では、患者さんに食事記録を依頼し、そのデータをもとに栄養価計算を行うことがあります。この作業は患者さんにとって負担となることが多く、できない方も多いです。
AIが発展することで、その患者さんの負担を軽減しつつ、管理栄養士も栄養価計算が必要なくなるので業務効率を向上させることができます。
これにより、よりスムーズで負担の少ない栄養指導が実現します。
栄養診断
AIを活用することで、患者さんの栄養状態に基づいた栄養診断が可能になります。AIは、人間が見落としがちな細かい点にも気づくことができるかもしれません。
もちろん、最終的な判断は人間が行う必要がありますが、AIの情報を参考にすることで、とくに経験の少ない管理栄養士でも、より正確で信頼性の高い判断ができるようになることが予測されます。
献立作成
AIによって、献立作成も自動で行えるようになります。栄養価、価格、食材の組み合わせ、調理設備、調理工程など、献立を考える際に考慮すべきポイントは多岐にわたりますが、AIはこれらの要素を瞬時に反映した献立を自動で作成することが可能です。
献立作成は複雑で、管理栄養士にとって負担になることも少なくありませんが、AIの発展により業務効率が大幅に向上することが期待できます。
厨房業務
厨房業務はAIロボットの開発が進んでいます。調理だけでなく、配膳や食器洗浄といった作業も自動化されることが期待されています。
近年、厨房業務は重労働であるため、人手不足が深刻化していますが、AI技術の進展により人手不足が解消され、効率的かつ衛生的な厨房運営ができるようになるでしょう。
発注業務
発注業務もAIによってできる仕事となります。給食における発注は、食数の予測や在庫と使用予定食数の調整を行う必要があります。
AIの導入により、これまで人間では難しかった食数の変動も正確に予測でき、より効率的な発注が可能になると考えられます。
AIができない管理栄養士の仕事
では逆にAIができない管理栄養士の仕事はどのようなものがあるでしょうか?
以下の項目がAIができない仕事です。
- 栄養指導
- 最終的な献立作成
- 臨床的な判断
それぞれ解説します。
栄養指導
栄養指導は、AIではできません。理由は、AIには共感する能力がないからです。
栄養指導では、患者さんの理解度や意欲を考慮し、個々に合わせた改善案を一緒に考えることが求められます。
だからこそ、栄養指導はAIではなく、人間が担うべき重要な仕事として残っていきます。
最終的な献立作成
献立作成はAIができる業務の一つとして挙げましたが、最終的な判断は人間が行う必要があります。
その理由は、AIには共感ができない点です。献立作成に共感がいるの?と思うかもしれません。AIは栄養バランスの取れた献立を数多く学習し、完璧なプランを作成することが可能です。
しかし、「今日は少し栄養バランスを崩してでも、いつもと違うメニューを楽しんでもらいたい」といった
食べる人の気持ちに寄り添った柔軟な発想
はAIにはできません。それが、献立作成においての共感です。
実際、AIが作成する献立では、同じ食材が繰り返し使われることがあるようです。
そのため、最終的な献立は人間が確認し、判断・修正する必要があります。
臨床的な判断
臨床的な判断もAIには任せられません。
実際の現場では、管理栄養士だけでなく、医師や看護師、薬剤師、リハビリスタッフなど多職種と連携しながら課題を解決する必要があります。
このような現場では、コミュニケーション能力や調整力が求められるため、AIでは対応できないのです。
AIの登場による管理栄養士の仕事の変化
AIが登場することによって管理栄養士の仕事はどのように変化していくのでしょうか。
以下のような変化があることが予測されます。
管理栄養士の職場環境が改善される
管理栄養士の職場は、人手不足や重労働による過酷な現場が多いですが、AIの導入によりこれらの課題が改善されることが期待できます。
ロボットが厨房業務を担当することで、人手不足が解消され、残業も減り、ブラックな職場も減ることが予測されます。重労働はロボットが行ってくれるので、負担も減ります。
その分管理栄養士は、栄養指導や栄養管理など、管理栄養士としての本領が発揮できる仕事に重きを置いて仕事をすることができるようになるでしょう。
このような変化が進むことで、管理栄養士の職場環境が大きく改善されることが期待できます。
栄養サポートの質の向上
栄養指導や栄養管理においてもAIの導入により、より質の高いサポートの実現が期待されます。
最終的な判断は人間が行う必要がありますが、AIがデータを用いて分析することで、これまで気づかなかった問題点を発見したり、より効果的なアプローチを見出すことが可能になるでしょう。
これにより、経験やスキルに差がある管理栄養士でも、業務の質を均一化できるようになります。管理栄養士の職場は一人職場も多く、十分な引継ぎが受けられず、新人が探り探り仕事をしている現場は多いです。こういった管理栄養士の手助けとなってくれることが期待できます。
また、AIの助けを借りることで、管理栄養士はより効率的に情報を活用でき、患者さん一人ひとりに合ったきめ細やかなサポートが可能となります。
一部、管理栄養士の仕事がなくなる
AIの導入により、管理栄養士の仕事はより良い方向に進化していくことが期待されますが、一部の業務が減少することも確かです。とくに特に、厨房関連の業務において影響が大きいでしょう。
まれに、管理栄養士のみで厨房を運営している職場も存在しますが、そのような環境では今後、AIの進化によって管理栄養士の役割が縮小する可能性があります。
管理栄養士の将来性
管理栄養士の将来性について考察します。
管理栄養士の需要は高まっている
管理栄養士の需要は、今後ますます高まると考えられています。その理由の一つは、急速に進む高齢化社会において、健康寿命を延ばすことの重要性が増しているからです。
健康寿命を伸ばすためには、適切な食生活が欠かせません。管理栄養士が早期に介入することで、食生活の乱れに起因する病気の予防が可能になるため、需要が高まっています。
さらに、令和6年に改定された診療報酬では、管理栄養士の役割がこれまで以上に重視されており、管理栄養士の活躍に対して与えられる報酬項目が増えました。
これらの背景からも、管理栄養士の需要は今後さらに高まっていくと予想されます。
今後は人間にしかできない業務を極める
AIの登場によって管理栄養士の仕事は良い方向に変化していくと期待されますが、一部の業務がAIに取って代わられるのは確かです。
そのため、管理栄養士が今後も活躍していくためには、AIにはできない「人間にしかできない部分」に焦点を当て、業務スキルを磨くことが重要になります。
その鍵となるのは、一言で言えば「共感」です。
栄養指導や献立作成、栄養管理といった管理栄養士の業務では、いかに患者さんに寄り添った対応ができるかが大切です。そのため今後は、人と直接関わる現場での仕事が、管理栄養士のキャリアアップにとってより重要な役割を果たしていくかもしれません。
まとめ:AIができない管理栄養士の仕事をしよう
この記事ではAIが出てくることにより管理栄養士の仕事はどうなっていくのかを解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 管理栄養士の仕事はAIに取られない
- AIの登場により管理栄養士の職場は改善される
- 厨房業務などの一部の仕事はなくなる可能性があり
- AIができない共感に焦点をあてることが管理栄養士の存在意義となる
管理栄養士として生き残っていくためには、AIにはできない共感の部分に焦点を当てた仕事が重要になってきます。
もし今後、管理栄養士としての仕事が減少する可能性がある職場にいる方は、今一度、自分のキャリアをどのように進めていきたいかを見直す良い機会かもしれません。
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