・管理栄養士に大切なことってなに?
・自分は管理栄養士に向いているの?
こういった疑問をもったことはありませんか?
私も管理栄養士として働きながら、
「自分が管理栄養士に向いていないのでは?」
と悩むことは何度もありました。
とくに管理栄養士として就職して間もないとき、
仕事がつらいときはこういったことを考えてしまいますよね。
私は病院で3年
委託給食で8年の
経験をもつ管理栄養士です。
そこでこの記事では、
管理栄養士を10年以上続けてきた私が考える
- 管理栄養士に大切なこと3つ
- 管理栄養士が注意すべきこと2つ
をご紹介します。
この記事を読めば、
管理栄養士の実際の現場で必要なスキルや大切なことが分かります。
管理栄養士としての今後に悩んでいる方は、最後まで見てください。
管理栄養士に大切なこと3つ
今までに10年以上管理栄養士として働いて感じた、管理栄養士にとって大切なことを次の3つに絞りました。
- コミュニケーション力
- リーダーシップ
- 責任感
それぞれ詳しく説明します!
コミュニケーション力
管理栄養士として「コミュニケーション」が大事というのはよく聞く内容ですよね。
でも、「コミュニケーションって具体的にどういうこと?」と疑問に思ったことはありませんか?
具体的には以下の3つ。
- 他職種との交流ができる
- 相手を尊重し、傾聴できる
- 現場スタッフへの声掛けができる
他職種との交流ができる
臨床現場では、他職種とのコミュニケーションがとても重要になります。
たとえば看護師さんや言語聴覚士さんなど、他の職種の方から得られる情報ってかなり多いです。
管理栄養士はどうしても他の職種の方と比べると、患者さんと関わる機会が限定的になってしまいますよね。そのため、他職種から得られる情報が管理栄養士としてのサポートの質に大きく影響します。
たとえば、
この患者さん、心臓病があるんだけど、今まで食事には気を付けたことがないみたいで、外食もかなり多いみたい。栄養指導で塩分についてアドバイスしてあげてほしい。
といったことを看護師さんから伝えられることがあります。
まったく前情報がないよりも、こういった情報を1つでも多くもらえることで、事前に関わり方を考えることができますよね。
でもこれって普通のことじゃないの?と思いませんか?そうなんです。普通のことなんです。
でもこういった関わりをできない人も管理栄養士の中にはいます。普段から他職種とコミュニケーションが取れていないと、こういった連携がとりにくい場合があります。
相手を尊重し、傾聴できる
管理栄養士の仕事に栄養指導があります。患者さんは自分よりも年上の方も多くいるので上から目線にならず、相手を尊重しながら関われるかどうかがとても大切です。
私たち自身も、上から目線で全然こちらの話を聞いてくれない人のいうことを聞いてみようとは思わないですよね。
食生活を変えることは大変だけど、この人の言うことを一度試してみよう。
と思ってもらえる関わりができるかどうかです。
現場スタッフへの声掛けができる
調理現場には多くのスタッフがいますが、普段から一人一人に声をかけるコミュニケーション力は非常に重要です。
管理栄養士は現場で指示を出す立場になることが多いですが、指示を出したからといって、必ずしもみんなが従ってくれるわけではありません。
とくに、調理現場にはパートの方も多いため、自分のやりたいように行動する人も少なくありません。そうしたスタッフを動かすためには、普段から信頼関係を築いておくことが不可欠です。
管理栄養士として大事なのは、知識 < コミュニケーション力だと、実際に働いてみて実感しました。
リーダーシップがとれる
管理栄養士としてリーダーシップ力は大切です。なぜかというと、管理栄養士として働く中で、チームを引っ張っていかなければならない状況がしばしば訪れるからです。
例えば、給食現場では以下のような変更が求められることがあります。
- 献立の変更
- 栄養ソフトの変更
- 調理器具の変更
- オペレーションの変更
- 食材の変更
これらは、今までのやり方を見直さなければならないことが多いです。その際に、リーダーシップをとるのは管理栄養士であることが多いです。
たとえば、予定していた食材が一つ変更になるだけでも、現場のオペレーションは大きく変わります。そのため、食材変更に伴う影響を事前に考慮し、適切な指示を出すことが必要です。
昔、上司から言われた言葉で、今でも忘れられないものがあります。
それは、「一人で何でもできる人よりも、できることは少なくても、『右を向こう』と言えば、みんなを右に向かせることができる人の方が、真の仕事ができる人だ」という言葉です。
責任感が強い
管理栄養士にとって、責任感は非常に重要です。その理由は以下の2点です。
- 命に関わる仕事であること。
- 365日、1日3食の提供が欠かせない仕事であること。
食物アレルギーや嚥下食は、直接的に命に関わります。また、衛生管理を怠ると食中毒のリスクが高まり、これも命に影響を与える可能性があります。
たとえば、アレルギーチェックをおろそかにしたり、衛生管理を軽視したりすると、安全な食事の提供ができなくなります。
そのため、管理栄養士は自分の業務だけでなく、周囲のスタッフがルールを守っているかどうかを確認し、必要に応じて注意を促す責任感が求められます。
さらに、食事は毎日3回、年間365日提供されます。そのため、機械の故障や災害など、予期せぬアクシデントが発生することもあります。
こうした状況に直面した際にも、迅速かつ適切に対処し、
- コミュニケーション力が高い
- リーダーシップがとれる
- 責任感が強い
10年以上、現場で管理栄養士をやってみて、この3つが管理栄養士にとって本当に大事だと感じました。
管理栄養士が注意すべきこと2つ
管理栄養士が注意すべきことは、次の2つです。
- 上から目線で高圧的な態度は×
- 責任感がないのは×
上から目線で高圧的な態度は×
上から目線で高圧的な態度は、管理栄養士が注意すべきことです。その理由は以下の3点です。
- 患者さんとの関わりで嫌われてしまう
- 多職種からの嫌われると連携が難しくなる
- 調理現場でスタッフがついてこなくなる
残念ながら、このような管理栄養士は実際に存在します。
私自身、現場で上から目線の態度を持つ人を見てきました。その結果として人望が得られず、仕事に支障をきたしている様子を目の当たりにしました。
このような理由から、上から目線で高圧的な態度は管理栄養士として注意すべき点です。
責任感がないのは×
責任感は管理栄養士に大切なことと挙げましたが、逆に責任感がない人は注意すべきです。
具体的に責任がないとは、以下のような項目に当てはまる人です。
- 言い訳をする
- 他人のせいにする
- 自分のミスを認めない
管理栄養士の仕事の中には責任感を持って行わないといけない業務があります。
その一つに献立作成があります。献立には栄養基準が定められており、特に病院食ではその基準を厳守する必要があります。
たとえば、心臓病患者向けの食事では、塩分を6g未満に抑えることが求められています。もし、たった1日で0.1gでも基準を超えてしまうと、治療食加算が適用されず、病院はその分の返金を求められることになります。
したがって、献立作成では細かな数値の確認が非常に重要です。病院食の治療食が数が多いため、漏れがないようチェックするのは大変な作業です。
そのため、管理栄養士で責任感がない人はかなり注意が必要です。
- 上から目線で高圧的な態度は×
- 責任感がないのは×
まとめ:コミュニケーションは想像以上に大事
この記事では、10年以上現場で経験をしてきた私の考える管理栄養士に大切なこと・注意すべきことを解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- コミュニケーション力が高い
- リーダーシップがとれる
- 責任感が強い
- 上から目線で高圧的な態度は×
- 責任感がないのは×
とくに、管理栄養士としてコミュニケーションは非常に重要なポイントだと思っています。
実際に働く前は、管理栄養士がこんなにコミュニケーション力が求められる仕事だとは思っていませんでした。
どんなに知識があり正しいことを言える管理栄養士であっても、コミュニケーション力がないと人を動かすことはできません。
今管理栄養士としての仕事で悩んでいる方、これらの点を参考にして取り組んでみてください。