・管理栄養士の残業時間はどのくらい?
・残業が少ない職場はどこ?
このような疑問を抱いたことはありませんか?
管理栄養士として働く職場によっては、月に40時間以上残業が発生することもあれば、定時で帰れる職場もあります。残業時間は職場ごとに大きく異なります。
私自身、管理栄養士として働いてきた中で、月に70時間以上の残業を経験したこともあれば、残業ゼロで働いたこともあります。
残業代がしっかり支払われるならまだしも、サービス残業では心身に大きな負担がかかりますよね。
そこでこの記事では、
- 管理栄養士の残業時間の実情
- 残業が発生する主な原因
- 残業が少ない職場の特徴
これらについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、あなたの現在の残業時間が妥当かどうか判断できるようになるはずです。
もし残業が多すぎて転職を考えているなら、ぜひ最後までご覧ください。
管理栄養士の残業は平均6時間
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、
管理栄養士(栄養士含む)の残業時間(超過実労働時間)は1ヶ月当たり平均6時間でした。
他職種の残業時間がこちら☟
職種 | 1ヶ月あたりの平均残業時間 |
看護師 | 6時間 |
診療放射線技師 | 9時間 |
臨床検査技師 | 12時間 |
理学療法士 | 5時間 |
管理栄養士(栄養士含む) | 6時間 |
保育士 | 3時間 |
他職種と比べて、多すぎ・少なすぎなどはなく平均的な残業時間といえそうです。
思ったよりは平均の残業時間少ないな、というのが正直な印象です。
管理栄養士はサービス残業が多い?
管理栄養士ではサービス残業という言葉をよく耳にしますよね?近年の働き方改革もあり、徐々に減ってきてはいますが、いまだにサービス残業が根強く残っている職場もあります。
私は今までに3箇所の職場で働いてきましたが、内2箇所はほぼサービス残業でした。
職場によって残業の取り扱い方がまったく違います。
参考までに今までに私が経験した残業ルールを紹介します。
- 定時以降はサービス残業
- 事前の申告制で残業可能
- 定時以降は残業
それぞれ解説します。
・定時以降はサービス残業
急性期病院で働いていた頃、残業代が一切出ない職場でした。
定時を過ぎるものは、すべてサービス残業となっていました。
とくにその職場では、毎日その日の出来事を日報に書いて提出する決まりがあったのですが、勤務時間内に日報を書くことは禁止されていました。
幸い、当時はあまり残業が発生しない環境だったため、特に気にしていませんでした。しかし、今振り返ってみると、日報を書く時間が勤務時間外に設定されていたのは、やはり理不尽だったと感じます。
・事前の申告制で残業可能
委託給食会社で働いていたとき、残業代は事前に申告した場合にのみ支払われるというルールがありました。
その職場は業務量が多く、定時に帰れることはほとんどなく、1日3時間、月に70時間以上残業することもありました。しかし、実際に残業代をもらうことはほとんどありませんでした。
事前申告制だったため、例えば定時前に上司へ「この仕事があるので2時間残業します」と伝え、了承を得られれば残業代を申請できました。しかし、上司からは
なぜそんなに時間がかかるんだ、1時間で終わらせろ
と言われ、結果的に1時間分しか申請できないことがよくありました。
そのような状況が続くと、仕事に集中している中でも定時前には残業申請のことを気にしなければならず、申請に行けば嫌味を言われる。次第に、残業申請自体が億劫になり、結局サービス残業になってしまいました。
自分が申告しなかったからこそサービス残業になってしまったわけですが、非常にストレスの多い環境でした。
・定時以降は残業
こちらは、前述の会社とは異なる委託給食会社で働いていたときの残業ルールです。
この会社では、タイムカード通りに残業代が支払われる仕組みでした。
例えば、定時が18時であれば、退勤が18時35分になった場合、30分分の残業代がきちんと支給されました。
サービス残業になることが少なく、申請する負担もありませんでした。
会社によって残業の取り扱いがかなり異なりました。
残業が多いのにサービス残業の職場は、搾取されるだけなので転職を考えた方がよいです。
管理栄養士の残業が発生する理由
では管理栄養士の職場で残業が発生する理由は何があるでしょうか?
具体的に以下のような事柄があげられます。
- 人手不足
- 業務が多すぎる
- 新規事業の立ち上げ時期
- 急遽発生した仕事への対応
それぞれ解説します。
人手不足
管理栄養士の残業が発生する大きな理由の一つに、人手不足があります。
とくに厨房業務では離職率が高いため、人手不足に陥りやすく、その結果、残業が発生することが少なくありません。
現場では、その日のうちに終わらせなければならない作業が多いため、休暇や急な欠勤があると人員が不足し、通常業務に加えて他のスタッフの仕事をカバーする必要が生じます。
これにより、残業が発生しやすくなってしまいます。
業務が多すぎる
業務量が過剰な職場では、残業が発生しやすくなります。
とくに、厨房業務に加えて事務作業や栄養管理まで担当する職場では、一人あたりの業務負担が非常に大きくなり、時間内に仕事を終えるのが難しくなることが多いです。
新規事業の立ち上げ時期
新規事業の立ち上げ時期は、一時的に残業が増えることがあります。
たとえば、委託給食の場合、新規施設への食事提供や立ち上げ準備が必要です。
また、病院などでは新たな健康教室の開催などが挙げられます。
こうした新規事業立ち上げ時には、準備やスタッフ教育、さらに事業開始後の状況確認や改善が求められるため、通常の業務に加えて負担が増え、残業が発生しやすくなります。
急遽発生した仕事への対応
管理栄養士の職場では、予定外の仕事が急に発生することがあります。
たとえば、病院では急な栄養指導の依頼が入ったり、給食業務では調理ミスや食材トラブルなど。
このようなトラブルが起こると、まずは対応が優先されるため、日常的な業務が後回しになり、その結果、残業に繋がる可能性が高くなります。
管理栄養士必見!残業代の基本の計算方法
管理栄養士の職場によっては、残業が非常に多いところもあります。
ところで、残業代の計算方法をご存じですか?
知っておいて損はないので、この機会にぜひ学んでおきましょう。
労働基準法では、1日の労働時間は8時間、1週間では40時間が基本とされています。
この時間を超えて働いた場合、会社は通常の時給より1.25倍の残業代を支払わなければなりません。
たとえば、通常の時給が1,000円の場合、残業代は1時間あたり1,250円となります。
こう考えると、サービス残業がいかに損をしているかがわかります。
頑張って働いた分はしっかり受け取るようにしたいです。
ちなみに、役職がついている場合は、残業代が「固定残業代」としてすでに給料に含まれていることがあります。
この場合、月40時間以内の残業代は追加で支払われないことが一般的です。
管理栄養士の残業が少ない職場
では管理栄養士の残業が少ない職場は、どこになるでしょうか?
職場によって状況はさまざまなので、明確に断定するのは難しいですが、残業が少ない職場を見分けるための特徴をいくつか挙げてみました。
- 直営は残業が多くなりがち
- 人間関係がよい職場
- 整理整頓ができている職場
- 分担がしっかりできているところ
- 求人票に残業時間の記載がある
それぞれ解説します。
直営は残業が多くなりがち
直営の職場は、給食業務や栄養管理が内部で完結するため、業務範囲が広くなりがちです。
そのため、業務量が増え、残業が発生しやすい場合があります。
直営の職場を選ぶ際は、労働環境や業務の範囲をしっかり確認することが重要です。
人間関係がよい職場
職場の人間関係が良好であれば、業務の分担や連携がスムーズに進み、無駄な時間が減少します。お互いに協力し合い、助け合うことで業務を効率的に進めることができ、結果として残業が少なくなる傾向があります。
人間関係が良い職場かどうかを見極めるためには、面接時や職場見学の際に接する管理栄養士をよく観察することが大切です。面接に立ち会うのは、通常、管理職や立場の高い人が多いため、その人の人柄や対応から職場の雰囲気を垣間見ることができます。
もし、主張が強く、自分の意見を押し通すような人だった場合、職場の人間関係に不安を感じるかもしれません。
そのような場合は、再検討することをお勧めします。
整理整頓ができている職場
物理的な環境が整っている職場は、業務の流れも整いやすい傾向があります。
職場がきちんと整理整頓されていると、無駄な時間が発生しないため仕事を効率よく終わらせることができ、結果的に残業が発生しにくいです。
面接や職場見学の際に、職場環境を観察しておきましょう。
分担がしっかりできているところ
業務が明確に分担されている職場では、一人あたりの負担が軽減されます。
役割や責任が明確で、各自が自分の仕事に集中できるため、業務が効率化され、残業が少なくなる可能性が高いです。
求人票に残業時間の記載がある
求人票に残業時間や残業に関するルールが明記されている職場は、労働環境に対する透明性があります。逆に、残業に関する記載がない職場は、残業時間が多い可能性があるかもしれません。
なぜなら、残業が少ない場合はその点をアピールするために求人票に明記されることが多いからです。
一方、残業が多い場合は、それがデメリットとされるため、明言されないことが一般的です。
そのため、求人票に残業時間の記載がない場合は、面接や職場見学で具体的な残業の有無や時間についてしっかり確認することをお勧めします。
これらの情報の中には、自分で直接確認しにくいものもあるので、転職エージェントを利用することで、負担なく情報を得ることができます。
まとめ:サービス残業が多い職場は離れよう
この記事では管理栄養士の残業について解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 管理栄養士の残業時間は1ヶ月あたり平均6時間
- 管理栄養士の職場によってはサービス残業が存在する
- 残業代は通常時給の1.25倍支給される
- 残業が少ない職場には特徴がある
残業が少ない職場に転職するためには、情報収集が重要なポイントとなります。
現在の職場でサービス残業が多くて困っている方は、今回紹介したポイントを参考にして情報を集めてみてください。
転職をスムーズに進めるためには、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
エージェントを活用することで、負担を減らしながら効率的に情報を収集できます。
【参考文献】(2024.9.10参照)