- 管理栄養士として働いているけど、人手不足で困っている
- 新しい人が来てもすぐ辞めてしまい人が定着しない
- 人手不足で精神的にも身体的にもきつい
こういった悩みをかかえていませんか?
管理栄養士の職場で人手不足は深刻な問題となっています。とくに厨房業務では顕著で、本来は栄養管理が担当の管理栄養士も、厨房に立たざるを得ないという状況もよくあります。
そこでこの記事では、管理栄養士の職場の人手不足の原因と対策について解説します。

キャロット
- 管理栄養士経験10年以上(病院3年、委託給食8年)
- 栄養指導、献立作成、工場立ち上げの実務経験あり
- 最高役職:課長補佐
- 金に目がない、管理栄養士でも高年収をあきらめたくない
- 転職で年収100万アップを実現
この記事を読めば、管理栄養士の職場での人が定着する環境づくりのヒントが得られます。
中々人が定着せずに悩んでいる人は最後まで見てください。
管理栄養士の職場の人手不足の現状

管理栄養士の職場では、人手不足が深刻な問題となっています。特に給食業界ではこの傾向が顕著で、調理師や調理補助、その他の厨房スタッフの不足が目立っています。

私自身も、給食委託会社で働いていた際、常に人手不足に悩まされていました。
管理栄養士は現場をまとめる役割を担っているため、人手が足りないときにはヘルプに回ることが多く、その結果、通常の業務にかける時間が削られるという状況は日常茶飯事ですよね。
人手不足が続くと、▼以下のような事態が実際に出てきます。
- 休日出勤が必須になる
- 連勤が2週間以上続く
- 残業が月に100時間を超える
さらに、求人を出しても応募がなかなか集まらないため、悩みは尽きません。今この記事を読んでくれている方の中にも、このような現状に悩まされている人は少なくないのではないでしょうか。
管理栄養士の職場が人手不足になる原因5つ


給食業界が人手不足になっている原因は、▼以下の5つがあります。
- 離職率が高い
- 仕事内容が過酷
- 給料が低い
- 人間関係が良くない
- 人手不足の悪循環
離職率が高い


給食業界の人手不足の原因1つに、高い離職率があります。
全体の離職率が12.1%であることを考えると、6%も多くかなり高い離職率であることが分かります。



せっかく新しい人が入社しても、すぐに辞めてしまう環境では人手不足は解消されません。
仕事内容が過酷


給食業界の人手不足の原因2つ目に、過酷な厨房業務があります。厨房業務は▼以下の内容から、身体的にきつい仕事であることが多いです。
- 立ちっぱなしで身体的負担が大きい
- 大量調理のため力仕事が多い
- 厨房は高温多湿
- 冷蔵・冷凍庫は低温環境
- 長時間労働も多い
こうした厳しい労働環境のため、仕事が長く続かない人も多いです。



実際に、入社後1~3日で退職してしまうケースを何度も目にしました。
給料が低い


給食業界の人手不足の3つ目として、給料の低さが挙げられます。一般的に、給食業界は他の業界に比べて給料が低く、正社員よりもパートスタッフの採用が多いのが特徴です。



実際、私が以前働いていた給食委託会社でも、パートスタッフが多数を占めており、その時給は最低賃金よりわずかに高い程度(10~50円ほど)でした。
このような低賃金が、業界全体の人手不足を助長している要因の一つとなっています。
人間関係が良くない


給食業界の人手不足の原因4つ目に、人間関係の問題が多いことがあります。
給食業界は、調理という仕事上、女性が多い職場環境のため、言い争いやトラブルが日常的に発生することも少なくありません。また、現場作業は常に時間に追われることが多いため、焦りやストレスのたまりやすさから、口調が荒くなったり、イライラが募ることも多くあります。
そのため、人間関係が悪くなり、人がすぐに辞めてしまう状況に繋がっています。
人手不足の悪循環


給食業界の人手不足の原因5つ目に、人手不足がさらに悪化し、悪循環を生んでいることです。
例えば、新人が入社しても、指導する人材が不足しており、引き継ぎや研修が不十分なまま仕事を任されることがあります。そうすると新人は未経験や不慣れな状態で仕事をこなすことにストレスを感じ、長期間続けることが難しくなります。
このような状況では、離職が進み、人手不足がますます高まるという悪循環が生まれてしまいます。
人手不足の対策は辞めない環境作り


人手不足を改善するためには、まず人が辞めない環境作りが重要です。新しい人を集めることも大切ですが、来てもすぐに辞めてしまう職場では、どれだけ採用を重ねても人手不足は解消されません。
▼以下、辞めない環境作りのために重要になってくる改善点です。
- 人間関係の改善
- 人材の育成
- マニュアルの作成
- 業務内容の効率化をはかる
人間関係の改善


辞めない環境作りのためにはまず、人間関係の改善が最も大切です。どの職場でも、人間関係が退職の主な理由に挙げられることが多いからです。
具体的な改善方法として、人間関係がこじれる場合、影響力のあるキーマンがいることが多いので、その人に働きかけることが効果的です。
実は、数多くの退職は特定の1人の言動がきっかけになっていたり、集団内で発言力の強い1人が原因となってトラブルが起きていることもよくあります。
そのため、キーマンへの適切なサポートが、人間関係を改善するための大きな一歩となります。



私の経験でも、いざこざの多かった職場で、たった1人が退職しただけで、その後はまったくトラブルが起こらなくなったという事例がありました。
人材の育成


辞めない環境作りのために、人材の育成も非常に重要です。人数が同じでも、個々のポテンシャルで業務の効率が大きく変わることはよくあります。
職場の中に「あの人は仕事が遅いし、覚えが悪い」と、十分に育成されていない人はいませんか?こういった人材をいかに上手に育てて、戦力にしていくかが非常に大切です。
「もっと仕事ができる人が来ないだろうか」と、新しい人をただ待つだけでは、人手不足は解消できません。実はこれ、よくやりがちなことですが、人手不足が解消されない原因の一つです。



実は私も以前、「この後輩を育てるのは難しい」と諦めて、「他にいい人が来ないかな」と嘆いていたことがありました。しかし、それは間違いでした。
どんな人にも得意なことはあるものです。強みを見つけて伸ばしてあげれば、その人自身の成長にもつながり、同時に人手不足の大きな助けとなります。
マニュアルの作成


辞めない環境作りのために、マニュアル作成も非常に重要な役割を果たします。誰でも簡単に理解でき、実践できるマニュアルを作成することで、教育時間を大幅に短縮することに繋がるからです。
人手不足での新人教育はかなり大変ですよね。しかし、教育をおろそかにすると、せっかく新人が入社してもすぐに辞めてしまうことになります。
わかりやすいマニュアルを作るためには、▼以下の点に注意しましょう。
- 手順を①②③…と、段階ごとに明確に記載する
- 写真をつけて視覚的にわかりやすくする
- 新人がわからない専門用語に注意する
マニュアルを渡されても「どこから見ればいいの?」と迷わせる内容では意味がありません。番号を順番に追っていけば誰でもできるようなマニュアルを目指すことが大事です。
文字だけのマニュアルは避けるべきです。例えば、▼以下は良くない例です。
①デスクトップにある「献立データ」のファイルを開ける
②ファイルの中の・・・
いつも業務をしている人にとっては普通ですが、新人はまずデスクトップの「どこに」そのファイルがあるのかが分かりません。この内容では、ファイルを探す工程が発生し、時間のロスやストレスの原因になります。
▼以下のように、デスクトップの写真を添え、ファイルの場所を一目で分かるように示してあげることが大切です。


また、新人が理解しにくい専門用語に注意することも重要です。長年働いていると、その言葉が当たり前になり、新人には伝わりにくいことがあります。
このように予想もしていないものが専門用語だったりすることがあるので、常に理解度を確認しながら教えることが大切です。わからない言葉が出てきたらすぐに説明し、分からないと予測できるものは事前に共有しておくことが大切です。



一見、マニュアル作成は人手不足に関係ないように思えるかもしれませんが、こうした細かい対応が、結果として人手不足の改善に繋がります。
業務内容の効率化をはかる


辞めない環境作りのために、業務内容の効率化をはかることに重要です。
▼以下の項目に取り組んでみましょう。
- ムダとり
- 効率化アイテムの導入
- 運用の見直し
ムダとり
業務のムダを徹底的になくし、効率化をはかることはとても大切です。
「やらなくてもいいこと」は意外とあります。例えば準備のための業務など。効率よくできるために、準備をすることは大切です。しかし時にはそれがやりすぎとなり、余計な作業を発生させていることもあります。
たとえば、私の経験では「Aの書類をクリアファイルに事前に入れておく」という業務がありました。この作業は書類の置き場所を変更するだけで無くすことができました。



こういった「なくなっても影響がない作業」を見直すことで、業務の効率化が進みます。
効率化アイテムの導入
管理栄養士の職場は、アナログの業務がまだまだたくさん残っていることが多いです。
エクセルなどの機能をうまく使いこなし、アナログ作業をなくすことが重要です。
他にも、システムを導入すれば人員を1人分減らすことができる場合などは、積極的に便利なシステムを導入した方が良いです。「上司に頼んでも買ってくれない」と諦めてしまう前に、プレゼンをしっかりしましょう。
- 作業にどれくらいの時間がかかっている
- システム導入で1日当たり〇時間削減できる
- 実質〇人分の作業量を減らすことができる
↑このように明確に効果を示すことができれば、受け入れてくれることも多いです。
効率化になる商品の情報を集め、導入検討していくことで少しずつ効率化がはかれます。
運用の見直し
運用を見直すことも効率化に繋がります。すべてを厨房内で調理しているところを、クックチルやニュークックチルの導入を検討してみることも有効です。
人口が少なく、人を集めることが見込めない場合などは、人が少なくても給食提供ができる運用方法にシフトしていく決断も必要です。
まとめ:人手不足は今後も続く課題


この記事では管理栄養士の職場の人手不足について解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 給食業界で人手不足は深刻化している
- 人手不足の原因は労働環境にある
- 人手不足の対策は辞めない環境作り
人手不足の対策として最も重要なのは、まず職場環境を整えることです。
新しい人材を待つだけで、職場環境の改善に取り組んでこなかった場合は、まずこの点を見直してみましょう。

